「ゴぉ、ん ゴン。 いるんだろう?でておいでよ」
ヒソカが呼んでる
また悪巧みか。たのしそうな声
けど俺はそんなヒソカに気付かれないように声を押し殺すので精一杯だった
気配のひとすじすら漏れちゃならない
「ふぅん、えらいね」
正面には闇よりも暗くて深い、真っ黒な瞳
「ヒソカなら君を助けてくれるのに」
雪みたいに白い彼の手には
俺の真っ赤な、血
それは俺が追い込まれてすわりこんでいる床一面にもひろがっていた
「助けなんか…いらないッ・・・」
「どうして?」
「これは…俺と、お前の問題だから…」
切り裂かれた太ももの傷が大きく開いてどくどくとまだ血が流れてた
頭がくらくらするし、眼も少し霞む
「問題。何か問題なんかある?俺はなにもないけど」
涼しい顔して今度は俺の右腕を強く掴む
鈍い音がして骨がくだけたのがわかった
「っ・・・・く、・」
「痛いなら痛いって泣きなよ。そのほうが俺も同情してあげれるかも。」
ヒソカの気配はなくなった。どうやら外に俺を探しにいったみたいだった
俺はゆっくりと息を吐く
「・・・だから・・・たすけなんか、・・・俺は・・・お前に・・」
「また謝れっていうの、キルのこと? キルはまあ…親父が何も言わない限り放っておくよ。今はね」
少し、ほんの少し寂しそうにみえるのは弟が離れていってしまってるから?
それは俺の気のせいなのかもしれないけど
「ちがう…」
俺は精一杯腕を伸ばした
そして彼の後ろに手をまわしてぎゅうっと抱きついた
とくんとくん、とくん とくん
「やっぱりだ」
「何?」
ほらやっぱり心臓の音がする
俺は伝えたいんだ。
キルアだけがゾルディック家で特別ではないってこと、
キルアが闇人形なんかじゃなければ
「イルミ、」
君も闇人形なんかじゃないってこと
「君もあったかいね」
「…なにそれ馬鹿にしてんの?」
それでも彼は、俺を また 殺さないで帰っていった
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何度もゴンのいるとこにやってきては殺そうとして
そのたびに失敗してるイルミたんの話でした。
イルミ流コミュニケーション。
ほんとに不器用すぎる男だと思うよ。
動物を撫でようとしたのについ殺しちゃう、とか。
ゴンはそれをなんとなくわかってて教えてあげたいのかも
なんて妄想してます…
ハンター試験のときもさ
ちゃんと説明して謝らせようとしたあたりがそんな感じするなぁなんて
まあ解ってもらえなかったから結局あれだったんですが
ちなみにこの不器用過ぎる男はこのあとひとしきりゴンを愛でてから
血だらけのゴンを放置して帰っていきます。
そんで発見したキルアとかクラピカとかヒソカが治療してくれます。
そんで色々いわれるけどゴンは何もいいません。でもみんなそれとなくサトってます。
でもゴンがそうしたいなら邪魔できないっていうね。
やっちまった。
本命かもしれないイルゴン…
や。ヒソゴンも大好きですがね!!
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無題
2009/10/08(Thu)07:49
きましたね。
新境地です。
No.1|by 花峰|
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