ぽちゃん、
黒い大きな池の真ん中に落とされた気分になる
「・・・・・」
「・・・・・」
大きな眼の真っ黒でまあるい瞳、そのど真ん中に少し困った顔の俺がうつってる
たまたま道ですれ違っちゃって
「あ、」
なんて声だした俺が間抜けだった
それこそ あっというまに腕を引っつかまれてその場で2人立ち往生
そしてずーっとあの目でじっとみられてる
「・・・キルアの・・こと?」
「キル?キルならさっき会ったよ。ミルキに頼まれてたものを渡してきた」
「ふーん。じゃあ俺になんか用なの?」
「・・・・・・・・。」
「・・・・」
ミルキってのもキルアのおにいさんだった気がする
どんなひとなんだろ、似てるのかな?
俺が首をかしげるとイルミはずっと掴んだままの俺の腕を少しひいた
「君なに、考えてるの?」
「ミルキってキルアのおにいさんでしょ?」
「俺の弟だよ」
「どんなひとかなって」
「別に、どうでもいいことだよ」
その間もずっと目線は俺から外れない
「ねぇ」
「?」
「なんでずっとみてるの?」
「珍しいから」
「俺が?
」
「・・・・・」
キルアみたいに肩をくんでくるわけでも
クラピカみたいに頭を撫でてくれるわけでも
ヒソカみたいに突然近づいてくるわけでもなく
一定の距離のまま、 彼はただじぃっと俺のことをみていた
イルミの言葉数は少ない
彼のことはほとんどよくわからないし、キルアにもどういうひとかなんてほとんどきいたこともないけど
でも
その黒い瞳のみずたまりは
実はそんなに居心地が悪くないことを俺は発見した
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イルミ流 愛で方→ガン見。
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